物心がついたころから写真制作を断続的ながらも続けています。写真とはただそこにあるものし か写りません。これは人間の純粋な視覚そのものです。しかし私たちは視覚と言葉でそこにある ものを認識します。眼に入った瞬間に言葉で解釈し、瞬時に世界を理解します。言葉にならないわから ないものさえ「わからないもの」と言葉にします。視覚は言葉であり、言葉は視覚です。では言 葉を使わない純然たるレンズのような視覚とはなんでしょうか。私たちは言葉をもたぬ赤子の頃 のようにものを見れるでしょうか?私はただ純粋で本能的な視覚への欲望を引き出し、視る事と は何かを問いかけたいと思い、写真による制作を続けています。