幼少期の私が生まれて初めて口にした夢は、「絵を描く人になろうかな」でした。
ぽろっと口にした夢に対して、大人からこう言われました。
「そんなものはなんの役にも立たない」
そのとき私はまだあまりに小さくて、大人の言うことは正しいことだと思っていました。
「絵を描くことは役に立たないからダメ」そう自分の中に刻み込んだ私は、それ以来、絵を描く夢を語ることはありませんでした。
【自分の好きなことよりも、役に立つことを選ばないといけない】
【自分の感覚よりも、他人に認められることを優先しないといけない】
そんな思い込みを持ったまま大人になり、大学を卒業した後、私は一般企業に就職しました。
自分の「好き」や「感覚」を無視したまま、他人や仕事を優先してがむしゃらに働いているうちに、心身はボロボロになっていきました。
ボロボロになって、ようやく自分の人生に向き合いました。
「私の好きなことはなんだっけ?」
もはや好きも嫌いもわからなくなった麻痺した感覚で、もがきながら模索する毎日。
そんなとき、幼少期の夢を思い出しました。
「絵を描く人になろうかな」
なんの役にも立たなくても、
なんの得にもならなくても、
誰からも評価されなくても、
それでもやってみたいこと。
それが、絵を描くことでした。
最初の一歩はとても怖かった。
でも絵を描くたびに、
自分の生きる力が
奥の奥からわきあがるのがわかりました。
絵を描いて、色で遊んでいるときが
最高に楽しい!
やっと、
自分の人生を生き始めた気がしています。
もっともっと色で遊んで
もっともっと自分を表現して
この世界を楽しみたい。