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１８回尾道絵のまち四季展入選。

✧作品の紹介✧

妖蔵(ようぞう)は、本名　川龜妖蔵(かわがめのようぞう)。(１３８２〜生没年不詳。

いわゆる、『山鷹(さんおう)』とよばれる、雨露のぴちゃぴちゃ湿った暗鬱な場処を好む。

そおいう場処に、カビと苔の生えた小屋を建てて、

清らかな川の流れるほとりに棲む。

寿命は、1000年で、現在639歳。

この妖蔵説と云うのが、『室町伝奇朝夜集』によると、

ある寺男が、寺の戒めを破り、ある野心からくる妖しい心念を抱えて、寺を出たという。

寺から遠く離れた、奥深い山鷹に迷い込んだ暗い雨降る晩に、目の前にいっぴきの川龜があらわれた。

その川龜は、いかにも、自由そうで、気ままで、この湿地を悠々と歩いていた。

妖蔵は、川龜にうっとりとなった。すぐさま近寄り、すると川龜は、首をながくのばしてこちらの様子をうかがっていた。

その隙間に、

「龜さんよ、あんたはええなぁ、こがあなええとこで気ままに生きとって。わしも、あんたみてえになりてぇ」

すると、龜は、くるっとこちらを向いて、

「ほおほお、ならば、おまえを１０００まで生きれるようにしてやろう。人間どもがおらぬ、この渓流でずっとくらすがよい」

と言って、かわの向こうにいなくなった。