森
展示中
所属
名古屋芸術大学 日本画コース
SNS
Instagram(mahiro_0821)
経歴
第1回「絵と言葉のチカラ展」 入選
第79回「南信美術展」 知事賞(最優秀賞)
作品の注目ポイント
先生が昔、奥様からの贈り物だと教えてくださった香水は、奥深い森のような香りがしました。廊下であなたの後について歩くと、陽だまりの中、着古された背広やシャツの気配まで感じるようで、私はその時間が好きだったのです。
しかし、百貨店で買った同じものを手首に吹いても、何か、何か欠けている気がしてなりません。
森。精気に満ち満ちた木と、ふるえ泡立つ苔。夜露に濡れた眼球までも沁みて、睫毛を縁取る冷ややかな霧がぼんやり見えます。柔らかい腐葉土によろめきながら、私はひたすら歩きました。ああ、先生は確かにここにいらっしゃったはずなのに、森の生々しい息遣いと夜闇が、広い背中や笑顔の静けさを、優しい歴史を、すっかり拭い去ってしまったのだろうか。
先生は………逝ってしまわれた。
もう、戻ってきてはくれないのだ。
夜空に白む満月だけが、哀れむように私を見ていました。
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「香水は付けた人の肌質によって幾通りもの香りに変化する」という話から制作した作品です。非売品としていますが、もしご購入を検討してくださる方はコメントをよろしくお願いいたします。
アーティストになった理由
高校時代に所属していた美術部の顧問の先生が日本画を専攻していたことがきっかけで、大学も日本画が学べるところを選びました。卒業後も日本画で表現されるモチーフの魅力や岩絵具の美しさに一生関わりながら生きていきたいと思ったからです。
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