描く時間は、画面と一対一で向き合う静かな対話であり、線や色を重ねるたびに、新しい扉が開かれていくような感覚があります。最初に思い描いたイメージや自分の限界を、作品がそっと越えていく。その過程にいつもワクワクしています。
モチーフは、自然、猫、家、果物など、見ていて飽きず、心惹かれる「好きなもの」。
それらは寓話のように語らずとも何かを含んでいて、誰にとってもどこか馴染みのある存在です。
絵を見た人が、「好き!」と直感的に感じてくれたら、それが一番うれしいことです。絵の技術や完成度よりも、見る人の琴線に触れることを大切にしています。
日常に溶け込むような作品で、そっと心がほぐれたり、少しだけ明るくなったり。そんな小さな変化を届けられたらと思っています。