絵や詩は私の伝えたいことを一番よく伝えられるので好きです。感じたことを言葉で誰かに話すのは私には非常に難しいことでした。しか し、言葉に出来ないもどかしい何かを絵や詩によって表現することによって、思いがけず感覚を誰かに理解してもらうことが出来たのです。顔の見えない知らない相手に対 しても私を知ってもらうことが出来る――そんな魔法の道具が絵や詩でした。 しかし正反対のことを言うようですが、絵や詩は人に理解されないから好きです。人と話す際には相手に理解してもらわなければならない。でも、絵や詩は一方通行だから無理にわかってもらわなくてよいのです。メッセージは作品の中に巧妙に溶けていて、正確に読み取ってもらう必要も義務もないのです。 だから、人と繋がりそうで繋がれない――繋がれなさそうで繋がれる そんな作品を作ることが私はとっても好きです。 自分の時間をかけて何かをつくること、何かを表現できることはそれだけで幸せで、贅沢なものです。でも、ほんの少しだけそれを誰かに見てほしい。そんなことを、思います。