歩くことが好きです。
急がず、目的を決めすぎず、ただ光のあるほうへ。
曲がり角の先で、
窓辺にやわらかく落ちる影や、
午後の空気が少しだけ色を変える瞬間に出会います。
私が撮るのは、
特別な出来事ではなく、
そこに流れている時間です。
建物の輪郭、
壁に触れる光、
遠くで揺れる気配。
目に見えているはずなのに、
通り過ぎてしまうものたちを、
そっとすくい上げるように写しています。
写真は、声を上げません。
けれど、静かに呼吸しています。
この一枚が、
あなたの部屋のどこかで、
ふと視線をとめる場所になりますように。