その土地の畏怖さえ感じる手つかずの自然、すこし物悲しいノスタルジックな街並み、土地に根ざして暮らす人たち。
幼い自分を包んでいたものから抱いた感覚が、作品制作に向かう基盤になっています。
道端の石や、長い時間を経て風化した古い道具やノスタルジックな風景。
気づかれぬままに時を重ね、いくつもの偶然と必然の連なりの中で「そこに在る」に至ったもの。
侘び寂びのように不完全なもの、移ろい漂い続けているものに宿る静かな美。
そうしたものは、人が抱える余白や語りきれない感情、陰と深く響き合っているように思います。
いくつもの経緯の連なりが導いた“在るべくしてただそこに在る”という存在の内側に惹かれ、その気配をかたちにしています。