立体絵画同好会や山川工房で、立体絵画の製作や普及をしています。普及の一例としての考察を記入してみました。
美術の趣味の楽しみ方について
美術を楽しむ事は環境を向上させて、箔をつけます。部屋を飾ることや着飾ることは、なるべく高価で価値があるものが良いでしょう。高価で価値があるとは何でしょうか?知人の作品や自分が好きな画家の絵画を飾る、有名人の絵画、人気画家の絵画を飾って鑑賞する、というのが一般的です。それは自分には描けない作品を鑑賞して楽しむのでしょう。絵画の良さが分からなくても高価な絵を飾るだけで箔がつきます。
しかし、これが美術を楽しむ事でしょうか。同じ絵画の鑑賞は何年かするうちに飽きてくるかもしれませんし、目で楽しんで美術に触れていても、自分の身にならない美術も向上しないかもしれません。受動的な鑑賞では何も始まらないし、能動的に自分が描いてみなければ、美術の見方も良さも分かりません。趣味をつきつめれば、美術の趣味とは鑑賞するのではなく、自分で描いて飾ることで美術が身についてきます。また他人の作品の良さも分かってきます。
しかし自分は美術に自信がない。「子供の頃の美術は苦手だった。他人の人が上手だった」。描くのが苦手な人は、子供の頃の思い出が関わっています。学校の友達が上手かったのは家庭でも描いていたのがほとんどです。まんがを描く子供は結構いて、下手でも描いてさえすれば楽しくて次第にうまくなっていきます。仕事でも何でも最初は下手で失敗が多いです。最初は難しくてうまくないと思ってもやってみましょう。
自分が描いて、いつも毎日見ているうちに、ここが悪いとかどうすれば良かったかなどと反省と満足が湧いてきます。それが向上心となって美術の見方も技術も向上します。ただし、絵画の描写は難しいもので、慣れるまで満足するまで根気よく続けることが大切です。
一方、このサイトで掲載した粘土製の立体絵画なら容易に楽しんで続けられます。誰もがそれなりに上手に仕上げられます。
例えば、花ならば花びらを立体的に重ねていくだけです。花びらは一様な形で重ねていけば花らしくなります。前もって花びらに着色すれば、描写の技術は不要です。背景は平面の粘土ですから多少波がついて自然に強弱の温もりのある絵画に仕上がります。花は立体なので背景に奥行きがあり、浮いているような実体感や存在感が出ます。それを飾ることで愛着や向上心も出てきて、普通の平面絵画よりかなり早く上達します。
例えば、山並みの風景も比較的簡単です。粘土を山の様に盛り上げ適当に整えて、着色すれば自然の山並みの様な感じになります。粘土を盛った立体なので表面は平らでなくて凹凸のある平面に仕上げられます。そのため着色が単色であっても表面の凹凸で色の強弱が出て、立体的に遠近感も出て本物の尾根や谷がある山並みの様な感じになり、わびさびの偶然美も出現します。普通の絵画の山の景色の描写は難しいがですが、粘土を盛れば自然の山に似てきます。
例えば、1個のリンゴの絵画は本物に近づけるために精細な描写が必要です。輪形もリンゴらしく見せるバランスに苦労します。慣れない絵だと幼稚な絵になります。しかし、粘土立体絵画ならばリンゴと同じおむすびのような丸い輪形に真似るのは比較的簡単です。芯も細い粘土棒を付ければそれらしくなります。西洋の絵画に特徴的な影の部分の描写は難しいですが、立体なので自然に影がつきます。着色も芯の部分の赤から下へ黄色に色彩を変えるグラデーションも粘土だと実物的な自然な感じに描写できます。平面絵画より立体絵画が何でも比較的簡単です。
このように立体絵画のように製作しやすい美術工芸を行うことで作品に愛着が出て、「良いね」と言われれば自作なので嬉しくなります。いくら自分が好きな画家の絵でも、他人の作品を褒められて本当に嬉しいとは感じません。鑑賞だけの美術で自分に何が残るのか。自分でも美術してみる事です、何かが生まれます。
また、料理番組から教えられて知識だけで満足する人もいるでしょう。しかし、自分でその料理を試してみる事で、当然にして味も分かるし、改良や応用を考えつき深く料理を知ることになります。仮に、他人のとても美味しそうな料理の絵を飾っても良いですが、自ら作った料理の絵を飾ることで、料理も芸術も味わい深くなります。美術の趣味は鑑賞よりも、実践することが楽しいと考えます。
以上、有難うございました。
立体絵画とは何か?
「平面アートと立体アートの違い」についての説明は、「山川善作base」で検索→「山川工房」でクイックしてご覧ください。
「立体絵画の偶然美」については、「山川善作ミンネ」で検索→「山川工房のプロフィール」でクイックしてみてご覧ください。
「立体絵画の多くの長所」についての説明は、「山川善作inframe」で検索→「FAQ」か「FAQ-山川工房」でクイックしてご覧ください。